~ 監督:李丹丹 出演:中国中央歌劇院
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♪ ストーリー ♪
明治中期の長崎。士族出身の蝶々さんは家が没落したため芸者に出ていた15歳の娘。
アメリカ海軍士官のピンカートンは日本にいる間の妻が欲しいと考え、仲介人ゴローの紹介で蝶々さんと結婚。その後ピンカートンはアメリカへ帰ってしまう。
それでも蝶々さんは彼を信じ続け子供を産み、ひたすら待ち続ける。
数年後、ケイトと結婚したピンカートンが再び長崎へ入港。子供を渡せと言われ、また全てを悟った蝶々さんは名誉を守るため、自害して果てる。
♪ 感 想 ♪
まず、今日のレッスンが始まる前に老師から
「蝶々さんの出演者に『日本人的振る舞い』を教えてくれたレッスン料を支払う」
とお給料をもらった!!とてもびっくりしたけれど、物凄く嬉しかった☆ 1時間4500円。これは中国では破格(普通バイトで1h=60円)。
その後、スタッフと一緒に専用バスに乗って劇場へ。。。。夕食をとって特等席(これも殆ど招待)へ!
はじめに。
やっぱりと言うべきか、「椿姫」と同じオケ&指揮者は、同じ失敗~なぜか序曲をトチるをしでかす。
その後の演奏は素晴らしいし、休憩後の曲も素晴らしいのに、なぜ最初だけ???ここだけが一番の★
さて。一番の大感動は舞台。
舞台演出の素晴らしさで、浅利慶太&小澤征爾の「蝶々夫人」が「抑えに抑えた日本の美」を現したのに比べ、老師演出による蝶々夫人は「これぞ!!日本の美」と言う素晴らしく幻想的な、美しい舞台が展開。
セットは多分狩野派の絵をモデルにした(資料を渡したので)襖が、透けるように作られていて、その絵の素晴らしさと後ろに見える結婚式やその他の場面が陶酔してしまう美しさ☆
背景は空と遠くに見える海がぼやけて描かれ、夜には星が瞬くようになっている。
結婚式の場面、ピンカートンと蝶々さんの初夜の場面、蝶々さんがピンカートンを待っている間の一日の移り変わりの照明の使い方なんて(しかも夜には空から桜の花びらが舞い落ちるところなんて。。。本当に幻想的!!)、ブラーヴォ!!以外の何があろう!!
さすが老師も絵をたしなむ&旦那さんが国家的画家☆美的センスがとてもとても素晴らしかった☆
実を言うと、浅利慶太の演出よりも感動。
あ、で、歌ですが(笑)
全体的に(オケもですが)レベルは小澤征爾の蝶々さんの方が上と言う観は否めない。同じ老師演出した「椿姫」の方が歌手は良かった。
ピンカートンは、アルフレードと同じ人がやったのだけど、ピンカートンのほうが歌に自信があったよう。アルフレードと同じく「後先考えずに後で後悔」のピンカートンの馬鹿っぷりはよく出てた(笑)。
蝶々さんは、前半はなかなか声が出なかったが、後半に行けばいくほど調子が上がり、演技力があり、ついつい涙するほど。。。。後ろで「ずずず」と泣く人も出ていました。
ただ、ちょっと動きが日本人ではないので、突っ込みたくなったのは事実。アリアの最後、一番盛り上がるところで両手を上へ挙げて、袖をたくし上げてしまったりして「う~~ん」と思ってしまったり。
バレエのように足を開いて外またで歩いたり。。。。というところが残念。
他の出演者(特に女性)は、皆とても良い動き~日本人らしさが出ていた。さすが教えただけある?!(笑)
衣装も、ラマ僧だったのが白&黒袈裟の禅僧にしっかり直されていたし(これは本当にほっとした)、髷の結い方もそれなりで良かった。
今日一番良かったのは「鈴木」をやったメゾソプラノの人!!
彼女は椿姫でも大活躍だったけれど、声が豊かにきれいに響き渡っていて、しかもとても演技力豊か。それも私が稽古に参加した時から思ったのだが「日本人らしい演技」にとてもこだわって熱心だった。一番光っていた人。
他は、五郎は悪人らしさがとても出ていたし、山鳥さんに至っては「成金のいやらしさ」があって「これでは蝶々さんも惚れない」という(笑)感じが良く出ていた。
これも老師の演出力なんだろう。
稽古も歌とともに、演技指導にとても力が入っていたから。
合唱は椿姫より良かった。
最後に思うことは。
プッチーニはひどい(笑)。
あそこまで蝶々さんを悲劇に悲哀に満ちた人生を送らせる必要がどこにあるのだろうか。しかもプッチーニの一番の理想の女性は(オペラも現実も入れて)蝶々さんだとか。
救いようのない悲しさに泣いてしまった。